コストを抑えることができると言われるBYOD。
会社と社員にとってメリットがあり、それぞれ負担は軽減されるものの、ある面では課題が残るのも事実です。
特に費用面では、不安要素が浮き彫りになります。
業務利用中の通信料は誰が負担するのか、故障時に費用の保証はあるのか、など線引きの難しい部分についての対処法をご紹介します。
BYODとは
BYODとは「Bring Your Own Device」の略。
個人のスマホやタブレット、ノートパソコンなどの端末を職場に持ち込んで使用するという意味です。
大きなメリットとして、普段使い慣れた端末を社内に持ち込むことで円滑に業務を進められるようになる点と、端末を複数持つ必要がなくなるため手荷物の軽減にもなります。
会社側は端末の購入費用を削減できるという点もメリットとなります。
しかしながら、個人の所有物となるため会社による管理ができないこともあり、セキュリティの面での懸念、またプライバシー情報の保護が難しくなるなどデメリットとなり得る課題はあります。
BYODの通信量の目安
ひと月の通信量は人それぞれですが、おおよその目安は最低で250~300MBと考えておくとよいでしょう。
ただ、ダウンロードしたりアプロードしたりする場合、ファイルの種類によっては目安の300MBを超えてしまう可能性もあります。
オーバーした分は料金の上乗せも考えられるため、目安として考える場合は自身の業務内容を考慮する必要があります。
一般的には以下の通信量が発生すると言われています。
- 通話(1分):約1.3MB
- アプリの立ち上げ:約0.1MB
- 画像のダウンロード・アップロード(1枚):約3~5MB
- パワーポイント資料のダウンロード・アップロード(10ページ+画像10枚構成):約30.15MB
- インターネット閲覧(1時間):約16MB
- メール(300文字):5KB
BYODが抱える費用負担の問題点
使い慣れた端末を持ち込めることは、業務効率の面から見ても大いに効果的です。
しかしながら、端末利用にかかる費用については不安が残り疑問も出てきてしまいます。
どういった点で問題となるのでしょうか。
業務分の通信料金算出が難しい
個人の持つ端末でプライベートと仕事の両方を兼ねてしまうと、どちらで使用した際の通信料なのか切り分けが難しくなります。
社員からすると、仕事上利用した通信費は会社が負担してくれるのか、自身が負担するのか。という疑問が出てきます。
BYODは個人の端末を頼る前提なのだからと、かかる費用はすべて個人の負担であるといった考え方もあるようです。
端末代金・維持費が従業員の負担になりやすい
端末購入費用、通信費などの維持費用などは個人の負担になりやすくもあります。
そもそもプライベートの通信環境は自身で開設したものであり、端末購入費用も自身ので支払いとなっている点で大きく個人の負担と言えるでしょう。
さらに通信費は仕事との切り分けが難しいという点にも原因があり個人の負担になりやすくなってしまいます。
また、プライベートと仕事で酷使した端末が故障したとしても、元々個人の持ち物であるため会社への請求もし辛く、会社側としても個人の物に対しての補償をしないケースもあるようです。
どの場面においても切り分けが難しいと言えます。
BYODの費用負担例
課題となる費用負担の対策手段はいくつか存在します。
そのため企業は自社の状況に合わせ、会社側と社員側双方にとって不満の残らない形を選ぶ必要があります。
会社が通信料を一部補助
業務において、長時間の通話や容量の大きなデータファイルを頻繁に扱うことが見込まれる場合は、会社側が一部負担します。
特に外回りの多い営業職では社内でWi-Fi通信というわけにはいかないため、会社が通信料を補助することになります。
業務形態や個人が抱える業務内容にもよって異なるため、通信量の何%までは補助するといった場合や、不公平感を減らすために定額支給を行う場合などがあり会社により異なります。
モバイルWi-Fiを提供する
社外での利用においては、モバイルルーターを会社から支給し、費用負担を会社持ちにする形です。
懸念されるセキュリティ面に関して言うと、BYOD用に用意された端末以外でのアクセスはできないように設定することで、盗聴などによる情報漏えいを防ぎます。
BYODを採用せず会社端末を支給
そもそもBYODを導入しないという形もあります。
外出時に必要な場合、会社が端末を支給するいわゆる社用携帯制度です。
自身の持つスマホなどの端末のほうが使い勝手が良いという意見もありますし、一方では個人の端末を業務に使用しなくないという意見もあるため会社と社員間で相談が必要かもしれませんが、難しい費用負担の切り分けもなく一括契約によりランニングコストを抑えられます。
BYODを採用する際にはルールの整備を
個人の端末を利用する場合、社員ごとに機種が異なることが想定されます。
BYODの導入においては、利用する端末の申請方法や費用負担の詳細などをしっかりと決め、管理体制を整えておく必要があります。
シャドーIT(会社が許可しない私物の端末やサービスを業務に利用すること)の抑制や、情報漏洩などのリスクを抑えるために就業規則と合わせガイドラインを作成しておきましょう。
- 個人情報の取り扱いについて
- テレワーク時にも利用可能なのか、などの利用範囲
- 端末紛失や盗難を防ぐための行動規範
などが、ルールがあることで、情報漏洩のリスクや従業員に与える不安や不満などのストレスも解消できます。
BYODにはアプリがおススメ。トビラフォン Cloud
BYODによるコスト削減はメリットがありますが、かかる費用の切り分け方や情報管理問題、プライバシー情報などのセキュリティ対策など課題があるのも事実です。
ガイドラインの作成にも時間をかけて慎重に行う必要があります。
しかし長い目で見るとテレワークでの利用や業務の効率化にも繋がり、残るのはメリットだけになるのではないでしょうか。
また、BYODにスマホを利用する場合はかんたんに管理できるアプリも普及しています。
アプリを利用することで煩わしい課題も解消されスムーズな導入ができそうです。
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