2024.02.28
トビラシステムズ 特殊詐欺・フィッシング詐欺に関するレポート(2024年1月)
国際電話番号を利用した特殊詐欺が増加中、詐欺SMSは「春節」に大幅な動き
特殊詐欺やフィッシング詐欺の対策サービスを提供するトビラシステムズ株式会社(本社:愛知県名古屋市、以下「トビラシステムズ」)は、2024年1月に当社調査で確認された詐欺電話や詐欺SMSに関する独自調査レポートを公開します。(調査期間:2024年1月1日〜1月31日)
また、直近の当社調査で確認された傾向についてもお知らせいたします。
<調査サマリー>
◉ 国際電話番号を利用した特殊詐欺が多発、高水準で推移が続く
◉ 国際ワン切り詐欺に加え、架空料金請求詐欺でも国際電話番号の利用が目立つ
◉ 国際電話番号を利用した詐欺手口、固定電話とモバイルで異なる特徴
◉ 宅配事業者をかたる詐欺SMSが78.5%、「春節」の期間は大幅に減少
◉ 確定申告や新NISA… 春に向けて「お金」にまつわる詐欺に注意
1.詐欺電話レポート
架空料金請求詐欺で国際電話番号の利用が増加
国際電話番号を利用した特殊詐欺が多発しています。トビラシステムズの調査で、2024年1月に新たに確認された迷惑電話番号の種別割合は国際電話番号の割合が53.2%で、2023年11月から引き続き高水準で推移しています。
また、2024年1月に確認された国際電話発信で特に多かった国番号上位3位は、アメリカ合衆国やカナダなどの北米地域、イギリス、ウガンダでした。
【国際電話発信が多く確認された国番号ランキング(2024年1月 トビラシステムズ調べ)】
順位 | 国・地域名 | 国番号 |
1 | 北米地域(アメリカ合衆国・カナダ等) | +1 |
2 | イギリス | +44 |
3 | ウガンダ | +256 |
【傾向分析①】ワン切り詐欺に加え、架空料金請求詐欺でも国際電話番号の利用が増加
国際電話番号を利用した代表的な手口に「国際ワン切り詐欺」があります。これは、被害者の携帯に国際電話の着信履歴を残し、折り返し電話をさせることで発生する高額な通話料金を狙う手口です。2020年から発生が目立ち始め、現在も多発しています。
一方で2023年下半期から、大手企業等を装い有料サービスの架空料金をだまし取る「架空料金請求詐欺」でも国際電話番号の利用が増加し始めました。特殊詐欺での利用が目立っていたIP電話番号について、2023年6月に政府が本人確認義務化の方針を発表した影響から、特殊詐欺グループがIP電話番号から国際電話番号へ利用を移行していると考えられます。
【傾向分析②】固定電話は特殊詐欺、モバイルは国際ワン切り詐欺の着信が目立つ
国際電話番号を利用した詐欺の電話については、ターゲットとなる電話端末によって手口に違いが見られました。
ターゲットとなる電話端末(着信側)が固定電話の場合は「オレオレ詐欺」や「還付金詐欺」などの特殊詐欺の着信が多く、モバイルでは「国際ワン切り詐欺」の着信が特に多くなっています。
2.詐欺SMSレポート
偽の宅配便不在通知は「春節」の期間に大幅減少
トビラシステムズの調査で、2024年1月に確認されたフィッシング詐欺のSMSの種別割合は、宅配事業者をかたる手口が78.5%を占めました。次いで、金融・決済サービスをかたる手口が10.3%、通信事業者をかたる手口が8.8%となりました。
トビラシステムズの調査では例年、旧暦の正月「春節」の期間に宅配便の不在通知を装う詐欺SMSが大幅に減少し、春節が明けると元の水準まで一気に戻る動きが確認されています。今年の春節(2024年2月10日〜2月17日)の前後も、この特徴的な動きが確認されました。
宅配便の不在通知を装う詐欺SMSに、引き続き警戒してください。
「三菱UFJ銀行」「SoftBank」をかたる詐欺SMSが多発
実在する企業やブランドの名前をかたる詐欺SMSについて、2024年1月1日〜1月23日は「三菱UFJ銀行」、1月26日以降は「SoftBank」をかたる文面が目立ちました。
その他、「日本郵便」「東京電力」「三井住友銀行」「メルカリ」「d払い」などをかたる文面が局所的に多発しました。
<参考資料>
・三菱UFJ銀行発表 注意喚起
https://www.bk.mufg.jp/emeg/10_1319.html
・ソフトバンク発表 注意喚起
https://www.softbank.jp/mobile/info/personal/news/support/20221129a/
・日本郵便発表 注意喚起
https://www.post.japanpost.jp/notification/notice/fraud-mail.html
・東京電力エナジーパートナー発表 注意喚起
https://www.tepco.co.jp/ep/support/sms/phishing/index-j.html
・三井住友銀行発表 注意喚起
https://www.smbc.co.jp/security/attention/index35.html
・メルカリ発表 注意喚起
https://about.mercari.com/security/phishing/
・NTTドコモ発表 注意喚起
https://www.docomo.ne.jp/info/spam_mail/column/20190617/
3.<トピック>確定申告、新NISA…「お金」にまつわる詐欺に注意
2月、3月は年度の変わり目に向けて仕事や生活環境、心境の変化などが増えやすくなる時期です。この時期、特に注意したいのが「お金」に関連した詐欺です。
確定申告に便乗した詐欺
2月16日から3月15日は、確定申告シーズンです。確定申告や税金に関連した特殊詐欺やフィッシング詐欺にご注意ください。トビラシステムズの調査では、過去に国税庁や税務署をかたる詐欺SMSや偽サイトの発生が確認されているほか、2024年2月中旬には財務省をかたり税金の支払いを求める詐欺メールが確認されました。
新NISAや投資に便乗した詐欺
2024年から始まった「新NISA」に便乗したと思われる不審なSMSが確認されています。特に2月13日(NISAの日)の前後には、新NISAに便乗した不審なSMSが多数確認されました。文面のURLにアクセスすると、新NISAや投資に関連するSNSグループの参加に誘導されます。
昨今、投資の勉強や情報交換などを名目としたSNSグループへの参加をきっかけに、著名人や著名な投資家・アナリスト等を名乗る人物から「投資の指導」や「指示通りにやればもうかる」などの口実で株式投資やFX取引などを勧誘され、振り込んだ金をだまし取られるなどの「金融商品詐欺」が急増しています。
警察庁が発表した特殊詐欺の認知・検挙状況によると、2023年における金融商品詐欺の認知件数は412件(前年比13倍)、被害額は51億円(前年比12倍)に上ります。日経平均株価が34年ぶりに最高値を更新するなど投資への関心が高まる中、金融商品に関連した詐欺が今後増える可能性があります。
身に覚えのないSMSやメールが届いた場合は文面に添付されたURLにアクセスしないでください。また、見知らぬSNSグループ等に招待されたり、見知らぬ人から投資の勧誘をされたりしても、決して応じないでください。
<詐欺SMSの対策>
◉身に覚えのないメールやSMSが届いた場合、文面に添付されたURLに触らない
◉日頃利用するサービスは、公式アプリやブックマークしたサイトから情報を確認
◉迷惑SMS対策サービスを活用し、フィッシング詐欺などの不審なSMSを自動で遮断
4.トビラシステムズについて
テクノロジーで社会課題の解決を目指し、特殊詐欺やフィッシング詐欺、グレーゾーン犯罪撲滅のためのサービスを提供しています。詐欺電話・詐欺SMS等の情報を収集・調査してデータベースを構築し、自動でフィルタリングする「迷惑情報フィルタサービス」は、固定電話、モバイル、ビジネス向けに展開し月間約1,500万人にご利用いただいています。
公式サイト:
https://tobila.com/
<本件に関する報道関係のお問い合わせ先>
トビラシステムズ株式会社
〒460-0003 愛知県名古屋市中区錦2丁目 5-12 パシフィックスクエア名古屋錦7F
担当:管理部 広報 岩渕
TEL:050-3646-6670(直通)
FAX:052-253-7692
URL:https://tobila.com/