多くの企業で使われているオフィス用電話といえば、古くからあるレガシーPBXでしょう。オフィス用電話を取り巻く状況は近年大きく変わっており、現在は2000年初頭に登場したIPネットワーク対応のPBXが主流です。
オフィス用電話は業務に欠かせないツールですが、コストや設備面の問題で導入・拡張できない企業が多いのではないでしょうか。
この記事では、オフィス用電話の種類と必須機能を軸にして、レガシーPBXや今おすすめのクラウドPBXの紹介をご紹介します。オフィス用電話の導入を検討している企業の方は、ぜひ参考にしてください。
オフィス用の電話の種類
オフィス用の電話機には様々な種類があります。家庭用電話機を使っている小規模な会社もありますが、一般的にはPBXを使用している会社が大半です。
PBXとは「Private Branch Exchange(構内交換機)」の略。名称の由来は外部の電話線と、社内の複数の内線を一元管理できる回線交換機であることから来ています。
現在主に使われているPBXはレガシーPBX、IP-PBX、クラウドPBXの3種類です。
レガシーPBX
レガシーPBXは家庭用電話機に近いオフィス用電話機です。
会社内に専用機器を設置して使う古いシステムで、歴史を辿ると1890年代にまで遡れることから、近年主流のIPネットワーク対応PBXなどと区別して、レガシー(従来版)PBXと呼ばれています。
現在新たにレガシーPBXを導入するケースはまれですが、専用機器の設置相場は工事費を含めて数百万円~数千万円ほどです。設置には工事が必要なので拡張は難しく、高コストで他のPBXより不便ですが、インターネット回線を使用しないため停電時でも内線・外線を使えるメリットがあります。
IP-PBX
IP-PBXはIPネットワークを用いたPBXの一種です。インターネット回線に対応しているため、社内LANに接続して社内LANを内線化できます。製品によっては最大数千台の内線電話機をIP-PBX1台で制御可能です。
IP-PBXは専用機器をオフィスに設置するハードウェアタイプと、専用ソフトをインストールするソフトウェアタイプの2種類があります。
ハードウェアタイプはセキュリティが堅固で信頼性に優れる反面、完全に新規で内線を構築しようとすると、50~100台規模のIP電話機と専用機器の導入で数百万円前後の初期費用が必要です。ソフトウェアタイプの初期費用はIP電話機のみで済みますが、セキュリティ面に不安があります。
ハードウェアタイプ、ソフトウェアタイプともに月額費用は数千円~数万円程度です。機能の追加・変更、内線番号の追加はどちらのタイプでもある程度柔軟に行えます。
クラウド型PBX
クラウドPBXはIPネットワークを用いたPBXの一種です。インターネットを経由して外部のクラウドPBXを使用し、インターネットに接続できる社内のPCを内線電話化できます。クラウドの利点を活かして、社外にあるスマートフォンを内線として使うことも可能です。
クラウドPBXは事業者がインターネット上で提供するサービスなので、専用機器を導入する必要はありません。物理的な機器がオフィスにないため、保守点検などの手間も省けます。
初期費用は内線の番号数や同時に使用できる上限設定で左右されますが、おおむね2万円~5万円前後となっており、無料の場合も珍しくありません。月額費用は数千円~数万円程度です。
内線電話用に新しくPCやスマートフォンを購入する場合、別途それらの費用が必要になるものの、レガシーPBXやハードウェアタイプのIP-PBXと比べるとはるかに安く済みます。クラウドPBXはサービス提供者のシステムを利用するだけなので、機能の変更や内線番号の追加などの拡張性が非常に高いです。
オフィス用の電話に必要な機能
オフィス用の電話機は一般の家庭用電話機とは用途が違うため、求められる機能も必然的に異なります。ビジネスシーンで必要な機能を過不足なく使えるのが、オフィス用電話機の条件です。
オフィス用電話機は大抵の場合、初期状態では必要最小限の基本機能しか使えません。他の機能はオプションになる形で、必要に応じて追加していく方式です。ここからは、オフィス用電話の必要最小限の機能、あると便利なオプション機能についてご紹介します。
必要最小限機能
オフィス用電話として必要最小限の機能は、「発信・着信機能」と「保留機能」、「内線機能」の3つです。
外部へ電話をかける、外部からの電話を受ける「発信・着信機能」は必要最小限というより、電話機として必須の機能。コールセンターなどの特殊な現場を除けば、この機能がないと成り立ちません。
「保留機能」は外部からかかってきた電話を切断せずに、保留状態にする機能です。電話を受けた社員が、別の担当者に繋ぐ際に必要となります。保留中は受話口に声が入らないため、電話をかけてきた相手に話を聞かれないことがメリットです。
複数人の社員がいるオフィスでは「内線機能」が不可欠となります。会社内であれば公衆電話網を使わない通話ができて、保留状態で担当に取り次ぐことも可能です。内線機能は電話料金がかからないので、社員同士間のコミュニケーションでも活用されます。
あると便利な機能
絶対に必要とまではいえないものの、あると便利なのが「転送機能」や「着信拒否機能」をはじめとする6つの機能です。オフィス用電話にオプションで追加できるため、必要に応じて機能を選びましょう。
頻繁に取引を行う会社にあると便利なのが「転送機能」です。会社にかかってきた着信を携帯電話などに転送できます。担当者が不在の場合、対応できずに機会損失する可能性を防げるのがメリットです。
「着信拒否機能」は悪質な営業電話、迷惑電話などをシャットアウトする時に役立つでしょう。業務に無関係の着信をなくせるため、作業効率を上げて社員の負担を軽減できます。
能率アップの観点で「自動応答機能」も便利です。音声案内で発信者が目的に沿った担当に直接かけられるので、取り次ぎの手間をなくしてオペレーターの負担を削減できます。業務時間終了のメッセージを流して、業務時間外に電話へ出る必要をなくすことも可能です。
コールセンター、サポート窓口がある場合は「通話録音機能」が重宝されるでしょう。通話内容の録音ができるので、対応のフィードバックや事後の検討に使えます。またクレームなどのケースでは、発言内容を証拠として保存できるのもメリットです。
特定の取引先が多い場合には「顧客管理機能」が役立ちます。顧客ごとに電話番号を管理できるので、顧客の電話帳を社内で共有できたり、顧客から電話があった際にディスプレイへ会社名を表示させたりすることが可能です。
IPネットワーク対応PBX、特にクラウドPBXには必須なのが「セキュリティ機能」でしょう。通話の暗号化とクラウドに接続するIPアドレスを制限できます。クラウドPBXはインターネットに依存する分、セキュリティ意識を高めなければ情報漏洩の要因になりかねません。
オフィスの電話にクラウドPBXがおすすめの理由
オフィス用の電話機としてレガシーPBX、IP-PBX、クラウドPBXの3種類をご紹介しました。3種類の中で特におすすめしたいのは、他のPBXよりいくつものメリットがあるクラウドPBXです。どのような点が優れているのかは、以下でご紹介します。
スマホやPCをビジネスフォンとして利用できる
クラウドPBXがおすすめの理由一つ目は、追加機器が不要で既存のPC・スマートフォンを活用できる点です。クラウドPBXはインターネットに接続しているデバイスを内線化できるため、社用PCやスマートフォンにビジネスフォンの機能を付与できます。
さらに、上記した「あると便利な機能」のほとんどが標準搭載。例えば急な電話で応対中にトラブルが起きても、録音機能で対処可能です。顧客電話帳の共有も簡単にできるので、引き継ぎなどがあっても社内で素早く共有できます。
コストを抑えることが可能
クラウドPBXはオフィスに専用機器を設置する必要がなく、工事費や点検の手間が発生しません。初期費用はほぼ不要で、他のPBXに比べると月額費用は割安です。維持費としてかかるインターネット利用料、外線通話料を差し引いても、クラウドPBXはコスト面で非常に優秀。
クラウドPBXは大がかりな工事をせず、コストを抑えて導入できるので、中小企業・個人事業主には特におすすめです。
申し込み後、短期間で利用可能
クラウドPBXはクラウド上のサーバーにアクセスするだけで使えます。利用形態によって異なりますが、申し込みさえすれば短期間でサービスの利用が可能。
新規に電話番号を作って利用する場合には2週間程度かかりますが、既存の電話番号を使ってクラウドPBX運用するのであれば、かかる期間は最短2日~1週間程度です。
素早く短期間で内線環境を構築できるのは、クラウドPBXならではのメリットといえます。
テレワーク推進に最適
クラウドPBXは近年普及が進むテレワークにも最適です。インターネット環境さえあればPC・スマートフォンをビジネスフォンとして利用可能なため、自宅でもオフィス同様に勤務できます。
テレワークの課題点として社員同士のコミュニケーション不足が指摘されますが、クラウドPBXで内線環境を整えれば円滑にやりとりできるはずです。またユーザー管理機能を備えたクラウドPBXなら、テレワーク中の勤怠管理を行うことも難しくありません。
外出先でも内線対応が可能
クラウドPBXは近年普及が進むテレワークにも最適です。インターネット環境さえあればPC・スマートフォンをビジネスフォンとして利用できるため、自宅でもオフィス同様に勤務できます。
テレワークの課題点として社員同士のコミュニケーション不足が指摘されますが、クラウドPBXで内線環境を整えれば円滑にやりとりできるはずです。またユーザー管理機能を備えたクラウドPBXなら、テレワーク中の勤怠管理を行うことも難しくありません。
クラウドPBXでオフィス業務をスマートに
会社に必要不可欠なオフィス用電話機ですが、直近の10年20年で目覚ましい進化を遂げました。クラウドPBXの登場によって、もはやオフィスに物理的な電話交換機を設置する必要はありません。クラウドPBXで社用PC・スマートフォンを内線化すれば、コストダウンと業務の効率化を両方実現できます。
クラウドPBXはいくつもサービスがありますが、特におすすめなのが「トビラフォン Cloud」です。「トビラフォン Cloud」はユーザー数1,300万人を超えるアプリタイプのクラウドPBXで、スマートフォンにインストールするだけで内線電話として使えます。「あると便利な機能」を完備しているだけでなく、オペレーターが空き次第通話を繋ぐコールキューイング、通話履歴のメモを社内で共有することも可能です。
「トビラフォン Cloud」の設備投資は不要で、導入にかかる期間は最短1日(翌営業日)です。1セット3,300円から利用できるため、コストを抑えてスピーディにオフィス用電話機の導入をお考え中の方は、「トビラフォン Cloud」をぜひご検討ください。
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