医療現場の課題を“電話”から解決!
安定した音質と音声データ活用で患者対応の品質を向上
お話を伺った方:
ナースケアハース名古屋西 管理者 谷口 晶紀様
この事例のポイント
外出先からの電話応対の実現により、取り次ぎ工数を削減
音質、通話の安定性による患者からの信頼獲得
通話録音、音声テキスト化でスタッフの教育と看護ケアの質向上
―はじめに、SENSE様の事業について教えてください。
当社は、愛知県名古屋市を拠点に、医療・介護・福祉の分野で幅広くサービスを展開しています。中でも私が携わっている「ナースケアハース」事業では、訪問看護を中心に、小児の医療的ケアから高齢者の看取りまで、人生のあらゆるステージに寄り添うケアを行っています。
近年、医療的ケア児を受け入れる医療機関や在宅支援事業所の不足が社会課題となっています。医療的ケア児とは、厚生労働省の定義によると「日常的に人工呼吸器や経管栄養などの医療的ケアを必要とする子ども」を指します。こうした子どもたちやご家族が、住み慣れた家庭や地域で安心して暮らせるよう支えることが、私たちの使命です。
また同時に、「2040年問題」と呼ばれる高齢者の増加と看取りニーズの拡大にも備え、すべての世代に寄り添ったケアを推進しています。私たちのパーパスである「いのちの物語の中に、かけがえのない幸せを」という想いのもと、病気や障がいがあっても、誰もがその人らしく暮らし続けられる社会の実現を目指しています。
電話対応の遅れが生む機会損失
―トビラフォン Cloud導入前に抱えていた電話に関する課題を教えてください。
訪問看護の現場では、看護師が利用者の自宅に出向いていることが多く、事業所に誰もいない時間が長く発生していました。そのため、電話が鳴ってもすぐに応答できず、折り返しになるケースが少なくありませんでした。医療・福祉の相談は緊急性が高い場合もあるため、対応が遅れてしまうと利用者の不安や機会損失につながってしまうのが大きな課題となっていました。
また、精神疾患のある患者さんへ対応する際、電話でのやり取りをどのように記録し、スタッフ間で共有すべきか悩んでいました。これまでの電話システムでは、応対内容を後から正確に振り返る手段がなく、対応の質やスタッフ育成に十分に活かせていませんでした。
加えて、以前利用していた他社のクラウドPBXには、音質の不安定さやサーバーダウンによる障害、サポート体制の弱さといった問題があり、医療の現場に求められる「確実に通じる」「すぐにつながる」という、電話ツールとしての基本的な要件が十分に満たされていませんでした。
タブレットで使えること、安定性、操作性が決め手に
―数あるサービスの中で、トビラフォン Cloudを選んだ理由を教えてください。
クラウドPBXをタブレットで使えるかどうかがポイントでした。私たちは、電子カルテをタブレットで管理しているため、利用する端末を一本化できるのは大きな利点でした。実際に使ってみると、アプリの操作性が直感的で、スタッフ全員がスムーズに利用できたのも安心材料でした。
音質や通話の安定性についても、他社サービスに比べて格段に安心でき、日々の業務に集中できています。
さらに、標準機能として搭載されている通話録音や音声テキスト化が、医療現場のニーズに非常に合っていました。電話内容を自動で記録・共有できるため、精神疾患の患者さんへの対応や、スタッフを教育する場面で振り返りや学習が容易になり、ケアの質の向上に直結しています。
―実際に使ってみて、トビラフォン Cloudの音質や通話の安定性はどうでしたか?
導入から半年ほど経ちますが、音質には全く問題を感じていません。以前利用していたクラウドPBXは、通話が不安定だったり、雑音が混ざったりすることもありましたが、トビラフォン Cloudに変えてからは音声がとてもクリアで、通話中に聞き返すことがほとんどなくなりました。スタッフの間でも聞き取りやすいと評判ですし、相手からも「普通の電話と変わらないですね」と言われるほどで、クラウドPBXということを意識せずに自然に会話ができています。
また、印象的な出来事として、呼吸器疾患を持つ患者さんで普段は穏やかに話をされる方が、ある日息も絶え絶えに電話をかけてこられたことがあったんです。トビラフォン Cloudでクリアな音質と安定した通話環境が確保されていたからこそ、医療スタッフは患者さんの声から微妙な体調の変化を捉えることができ、その結果、適切な処置を行うことができました。
電話に追われない体制へ。スタッフの働き方を支える仕組み
―導入後、どのような効果を実感しましたか?
最も実感したのは、誰でもすぐに電話に出られる体制が整ったことです。これまでは事業所に患者さんから電話がかかってきても医療スタッフが不在にしていることが多く、取り次ぎや折り返しの対応が発生していましたが、トビラフォン Cloudを導入してからは、外出先にいるスタッフのタブレットから直接電話の応対ができるようになりました。その結果、週に5件ほどあった電話の取り次ぎがほぼゼロになり、利用者への対応スピードが格段に向上しました。緊急時でもすぐに電話がつながる安心感は、利用者のご家族からの信頼にもつながっています。
また、迷惑電話フィルタ機能により、不要な着信に対応する時間も大幅に減りました。以前は業務の合間に対応せざるを得なかった迷惑電話や営業電話に割くリソースがなくなり、スタッフが本来の看護業務に集中できるようになっています。
さらに、通話録音・文字起こしを活用することで、若手スタッフの教育やケーススタディにも役立っています。実際の応対を振り返りながら指導できるため、スキルの標準化につながっています。
―今後、トビラフォン Cloudに期待していることはありますか?
訪問看護の業界が直面しているのは、2040年問題とも呼ばれる「看取り需要の増加」と「医療従事者の不足」です。今後ますます限られた人員で多くの患者さんを支えていく必要があり、そうした中で、DXを通じた業務効率化は欠かせません。
トビラフォン Cloudは、すでに通話録音や音声テキスト化、IVRなど多彩な機能が搭載されていますが、すべて自社開発されているからこそ、今後も現場の声に合わせて進化していくのではないかと期待しています。医療現場のニーズに寄り添ったサービスとして、さらなる活用シーンが広がることを楽しみにしています。
―最後に、トビラフォン Cloudを検討されている方へメッセージをお願いいたします。
トビラフォン Cloudは、医療や福祉の現場でも安心して利用できる安定性と、誰にでも扱いやすい操作性を兼ね備えています。サポートも手厚いため、システムに不慣れな方でも不安なく導入できるのが魅力です。業務効率化と質の高いケアの両立を目指す方にとって、最適な選択肢の一つになると思うので、ぜひ一度試してみていただきたいです。
株式会社SENSE
- 事業内容
- 医療・介護福祉・保育サービス、有料職業紹介、リノベーション事業
- 従業員数
- 114名(2025年4月現在)
- ホームページ
- https://sense-world.com/
他の事例を見る