「会社の代表電話番号は会社にとって適切なものですか?」
こう聞かれてすぐに答えられる方はどれほどいるでしょうか。
会社の代表電話番号が特にどういった意味を持った電話番号なのかを深く考えることは、普段働いている中ではまずありません。
今回は、今使われている電話番号が「法人に向いてるのかそうでないのか」に焦点を当て、どういった電話番号を持つことが会社にとって大事なのか考えていきたいと思います。
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0ABJ番号・050番号とは
- 0ABJ番号
まず先に0ABJ番号について簡単に説明しますと、0ABJ番号とは「0(ゼロ)」から始まる9桁の電話番号です。
「0ABCDEFGHJ」のように表されるため、間を省いて通称0ABJ番号と呼ばれてます。
※「I(アイ)」が抜けているのは「l(エル)」との混同を避けるため。
市外局番から始まる慣れ親しんだ電話番号です。 - 050番号
050番号は、まだ聞きなれない方もいるかもしれませんが、表し方としては「050ABCDEFGH」であり、今徐々に増加しているIP電話番号になります。
こちらは市外局番が含まれません。コールセンターなどで使われることが多く、スマホでの利用も可能です。
法人に向いている電話番号はどちらなのでしょうか。
ここではそれぞれの違いを見ていきます。
0ABJ番号・050番号の違い
0ABJ番号のメリット
- 市外局番によりどのエリアの事業者なのかが伝わる
- 圏外になることはない
- 契約会社を変えても電話番号は引き続き使用することができる
- 口座開設時などには信頼性のある番号として扱われる
- 通話品質が高い
0ABJ番号のデメリット
- 基本的に固定電話での使用となる
- 設備投資に大きなコストがかかる
- エリアの移動を伴うオフィス移転時には番号を変える必要が出てくる
- スタッフ毎に電話番号を持つのが難しい
- 電話の距離が離れるにつれ通話品質が低下する
050番号のメリット
- 地域を特定しない運用が可能
- 固定電話ではなく携帯電話で使用可能なためテレワークにも向いている
- 距離に関係なく通話品質は一定の水準を保たれる
- 通話料が抑えられ、低コストでの運用が可能
- 初期設備不要、既存設備があっても追加する必要がない
- 固定電話とは異なり、スタッフ別に電話番号を持つことが可能
- 回線の追加・削除が容易なため、社員の増減に柔軟に対応できる
- 社内外問わず、内線・内線を使用した転送が可能
- 050番号同士においても通話は無料
- wi-fi接続時であれば、パケットの消費は無い
050番号のデメリット
- 外出時など圏外になる可能性がある
- 契約会社を変えると050番号は引き継ぐことができない
- 0ABJ番号に比べ信頼性は劣る
- 緊急通報ができない
- フリーダイヤルに電話をかけられない
- 通話品質は0ABJ番号より落ちる
それぞれメリットデメリットは存在します。
用途により選択肢は変わりますが、法人に向いている番号はどちらに軍配があがるのでしょうか。
デメリットはいくつか解決することが可能
0ABJ番号の場合
基本的に固定電話のためスタッフ毎に電話番号を持つことは難しいですが、アプリの利用によりスマホを子機のように使えるサービスもあります。
距離による通話品質の低下は見られますが、元々の通話品質が高いことや信頼性のある番号としては申し分ないかと思います。
050番号の場合
圏外問題で言えば、モバイルwi-fiの普及もあり、テレワーク時の場合だと勤務場所が家であったりコワーキングスペースなどで固定されていたりするため、そもそもデメリットとして見なくていいかもしれません。
電話番号の引き継ぎに関して言えば、契約会社を変えない限り使用し続けることもできますし、何度も契約会社を変更することは考えにくいので実際は問題にならないのではないでしょうか。
「0ABJ番号に比べ信頼性が劣るため、口座開設時に使用できない」などと言われていますが、実際は一部の銀行の話であり、スマホが現在ほど普及していない時代の話でもあります。
今の時代においては気に留める必要のない要素でしょう。
時勢を考慮すると、気になるのは緊急通報ができないことです。
こちらは、アプリ型ビジネスフォンを使うことにより解決できます。
緊急通報が使えないのはあくまでアプリ上であるため、元々ある電話アプリを使えば可能です。
法人に向いている電話番号を見極める
事業者によりサービス内容は異なるため、ご利用目的に合わせてしっかりと見極める必要がありますが、法人となるとコスト面が大きな部分を占めることになります。
また、昨今ではテレワーク、リモートワークが注目され多数の企業が徐々に導入を進めています。
法人にはどちらが向いているのかが見えてきたのではないでしょうか。
参考:アプリ型ビジネスフォン