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企業がIoTを導入するメリット・デメリットを解説

企業がIoTを導入するメリット・デメリットを解説

社会全体でIT化が進むにつれて、モノそのものに通信機能を取り付け、インターネットと接続できるIoT機器の導入も加速しています。その中で「IoTを取り入れるメリットを具体的に知ってから検討を始めたい」とお考えの経営者やシステム担当者はいないでしょうか。

 

この記事では、IoTの概要や取り入れるメリット、デメリットを解説していきます。社内効率をより高めていきたいと考えている方は、ぜひ最後まで読み進めてください。

IoTとは

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IoTは「Internet of Things」の略語であり、日本語では「モノのインターネット」と訳されます。具体的には、モノとインターネットの連携を前提として、モノに通信機能を持せる技術を示すのです。

 

インターネットを用いる端末として真っ先にイメージするのは、パソコンやスマートフォン、タブレットなどでしょう。しかし近年では、家電や車といったモノに通信機能やセンサーを取り付け、情報を収集・活用する流れが加速しています。

 

IoTの導入で実現できること

IoT メリット

■映像は撮影用にデザインしたオリジナルのものです。

モノをインターネットに接続するIoTの技術は、日常生活を快適にするだけでなく、企業の業務効率改善や顧客満足度向上に寄与します。

 

では、IoTを活用することでおおまかにどういったことが可能になるのでしょうか。ここからは、IoTの導入によって実現できることを3つの観点から紹介していきます。

 

モノの操作

IoTを導入することによって、離れている様々なモノの操作が可能になり、利便性が大幅に向上します。例えば、外出先からスマートフォンを使って照明やエアコン、給湯器などの操作が可能に。これにより、家に帰ったら部屋が暖まっている、お風呂がわいているなどの便利な暮らしが手に入ります。

 

モノの動きや状態の検知・把握

対象のモノの動きや状態を遠方から検知・把握することも、IoT導入によって可能です。住宅においては、リビングにセンサーを設置しておくことで、どこにいても室内温度を把握できるようになります。冬場などに、室内温度が極端に低いことが確認できれば、帰宅前にエアコンをつけておくなどの措置が取れるでしょう。

 

また、工場においてもセンサーを取り付け、使っている電力やエネルギー量を常時可視化することで、傾向をつかんで消費量削減などの対策も容易に立てられます。

 

モノとモノ同士で通信

IoTはスマートフォンやタブレットなどを使った通信だけでなく、モノとモノの間でデータ通信をすることも可能です。モノとモノが情報を互いに共有することによって、より高度なシステム稼働が実現されます。

 

わかりやすい例は、信号機と自動運転車による連携です。信号機が道路の混み具合を検知し、リアルタイムで自動車にその情報を送信。情報を受け取った自動車が速度を調整することによって、渋滞を減らしていこうとの取り組みが現在も進んでいます。

 

企業がIoTを導入するメリット

IoTを活用すれば、これまで知ることが難しかった顧客や社内の情報を、効率的に収集することができます。蓄積された膨大なデータは、商品開発などに役立つだけでなく、人員配置・在庫管理といった社内体制の見直しにも活きるでしょう。

 

ここからは、IoTを導入する場合のメリットとその具体的な内容を紹介します。

 

データを蓄積できる

IoTを導入することによって、正確なデータが効率的に蓄積できるようになります。顧客がどのように製品を用いているか、どのようなシチュエーションでエラーが発生しやすいのか、どの時間帯に利用されるのかといったあらゆる情報がデータ化されるため、傾向をつかんだ上でより良い商品開発に活かしていけるのです。

 

今まで「なんとなく」や「おそらく」でやっていた作業や予測が、データに基づいて進められる点は大きなメリットといえるでしょう。

 

生産性が向上する

IoTを駆使したデータの収集・活用は、社内体制見直しにも大きな役割を果たします。例えば、各部署における人材配置は、配置変更や増員・減員による具体的な成果が見えにくい傾向にあるでしょう。しかし、IoTを導入して作業状況や進捗を把握することで、実は余分に人員を配置していたなどの事実がデータとして表されます。また、商品にICタグなどを取り付けて管理すれば、余剰在庫の削減にも有効です。

 

その他、データに基づいた販売戦略や生産戦略立案も可能となります。これらを組み合わせることで生産性が向上していくでしょう。

 

新しいビジネス機会を創出できる

IoTを導入してデータを手に入れることで、これまで気がつかなかったユーザーニーズの把握が可能です。「実はユーザーは○○ではなく△△の機能をよく使っていた」などの事実が浮き彫りになることで、企業の方針とニーズのズレもわかり、新たなビジネスチャンスが生まれます。

 

企業がIoTを導入するデメリット

マーケティングや業務改善など様々な面で効力を発揮するIoTですが、本格的な導入には一定のコストがかかります。また、インターネット通信が要となるため、セキュリティや通信障害のリスクも視野に入れなければなりません。

 

IoTを導入する際には、どのような点に留意しておくべきなのかをしっかり把握しておきましょう。

 

導入・維持費用がかかる

IoTを取り入れる際には、初期費用や維持費用(電気代・保守費・IoT人材の雇用など)が発生します。IoT機器は様々な企業によって開発・販売されているため、性能やコストなどは千差万別です。

 

コストを抑えたいのであればセンサーを取り付けるだけでもいいですが、使用用途や導入目的によっては性能面が追いつかないことも。例えば、工場全体をIoT化する場合などは、数億円単位で初期費用が必要になるケースもあるでしょう。費用対効果を綿密に精査することが大切です。

 

セキュリティ面のリスクが高くなる

IoT機器はインターネットを介して用いるため、サイバー攻撃の対象になる可能性が出てきます。サイバー攻撃を受けると、自社情報が流出するだけでなく、顧客情報の漏洩や通信内容の傍受、乗っ取りなどのリスクに繋がるため、社の信頼を落とさないよう十分な対策が必要です。

 

IoT機器を狙いとしたマルウェアもあるため、セキュリティ対策は万全にしておきましょう。

 

通信障害のダメージが大きい

IoTを導入した際には、インターネットの通信状況によってシステム稼働可否が左右される点に留意が必要です。災害が発生した時などに通信障害が起こると、その間はIoTが使用できなくなります。工場などの製造業では生産が一時ストップするなどの事態にも陥りかねません。その場合を想定した対策費用なども必要になるでしょう。

 

IoT人材が不足する

IoTの導入と認知が進んでいることによって、専門知識を持ったエンジニアやプロデューサーといった、IoT人材の重要性は高まりつつあります。本格的にIoTを導入する場合は必要不可欠であるため、採用活動に力を入れる必要があるでしょう。

 

人材の価値が高まっていることもあり、高額な雇用コストや委託コストが発生する可能性が考えられます。機器だけではなく、人材確保に要する費用の予算化も重要です。

 

IoTの活用事例

IoTは様々な業界で活用が始まっていますが、ここでは、どのようなシチュエーションで用いられているのかを具体的に解説していきます。

 

製造業・小売業・自動車業・農業・住宅業での事例を取り上げましたので、自社で取り入れる際の参考としてください。

 

製造業

いる場合には、各工場をIoTでつなぐことによって、ラインの空き状況を把握し新たな受注を受けるといった対応も可能となるのです。

 

また、各工場の部品在庫なども共有しておけば、部品が不足した場合でも即座に別工場から取り寄せの手配をすることができます。

 

小売業

IoTは、小売業においても大きな役割を果たしています。例えば、従来、値札や広告は人が直接設置し、都度変更をしていました。しかし、デジタル値札やディスプレイなどを導入することで、表示内容を遠隔管理することができるのです。これにより、大幅な業務効率改善が見込まれるでしょう。

 

さらには、店内のカメラや重量センサーによって購入商品を自動で把握し、会計までを顧客が行う無人レジといった事例もあります。

 

自動車

自動車業界では、IoTを用いてドライバーや歩行者の安全を確保する技術が発展しています。例えば、ドライブレコーダーの通信機能を活用し、自動車の速度・走行距離などのデータを取得。それを基に安全に運転するためのフィードバックを、ドライバーや企業に共有するという事例があります。

 

また、設置することで自動車の位置情報を把握し、事故が多い地点が近づくと音声でお知らせしてくれるIoT機器も開発されているようです。

 

農業

農業においては、後継者不足や人材不足が業界全体の課題です。そのため、IoTを活用して効率的に農業を進めていくための取り組みが積極的に行われています。畑や田、ビニールハウスの水やり、温度調節などを自動化することで、品質向上や効率性向上が期待されているのです。

 

センサーを設置すれば、温度や湿度、日照時間などのデータ取得が容易となります。従来は感覚や経験則に基づいて行われていた農作業が数値化されることによって、新規参入のハードルも下がっていくでしょう。

 

住宅

住宅業界では「IoT住宅」と呼ばれる、IoT技術を取り入れた住宅の開発が進んでいます。IoT住宅は、玄関をセンサーによって解錠する、帰宅時間に合わせて冷暖房を入れる、家族が帰宅しているかをセンサーで確認するなどが可能であり、よりスマートな暮らしが実現されているのです。

 

さらに、台風などの警報情報をキャッチして自動でシャッターを閉めたり、蓄電を開始したりといった、自然災害への備えにIoTを活用している事例もあります。

 

IoTを駆使して生産性を向上させる

IT化が進んでいる現代社会において、IoTには大きな注目が集まっています。業界にかかわらず多くの企業で、生産性の向上、新たなビジネス機会の創出などに貢献する有用な技術です。導入を検討する際には、費用対効果を精査した上で、どのように取り組みを進めていくかを考えていきましょう。

 

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